葬儀費用を安く抑えたい場合は、市民葬(区民葬)を利用する方法があります。市民葬(区民葬)は、市区町村が住民の経済的負担を軽減するために、葬儀社と提携して行う葬儀のことです。自治体によって葬儀費用は異なりますが、一般的な葬儀費用より安く抑えられる傾向があります。ただし、費用が安い分シンプルな内容になっているため、不足がある場合はオプションとして追加料金がかかります。
市民葬(区民葬)は、故人または喪主が住民票登録している自治体であれば利用が可能です。ただし、すべての自治体で市民葬(区民葬)を行っているわけではないので、お住まいの自治体のウェブサイトなどで確認してください。
なお、生活保護を受けている世帯の方が亡くなった場合は、自治体から葬祭扶助を受けて行う、福祉葬を利用できます。自治体によって支給額は異なりますが、一般的に通夜や葬儀・告別式を行わない直葬や火葬のみとなります。
葬儀の規模をコンパクトにしても、葬儀にはある程度まとまった費用がかかります。少しでも費用負担を軽減できるよう、葬儀費用を工面するための方法をご紹介します。
国民健康保険、後期高齢者医療制度、被用者保険(健康保険、共済制度)といった公的医療保険制度では、葬儀や埋葬にかかる費用負担を軽減するための葬祭費補助金制度があります。
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合は、お住まいの自治体から「葬祭費」が給付されますが、給付要件や金額は自治体によって異なります。葬祭費の申請期限は、葬儀を行った日の翌日から2年以内です。手続きについては、故人の住民登録のある自治体のウェブサイトを確認してください。
また、被用者保険に加入していた方が亡くなった場合、故人に生計を維持されていた方が埋葬を行うと、加入していた被用者保険から「埋葬料」として5万円が支給されます。埋葬料を受け取る方がいなければ、実際に埋葬を行った方に、5万円を上限として実際に埋葬にかかった費用が「埋葬費」として支給されます。
埋葬料の申請期限は亡くなった日の翌日から2年以内、埋葬費の申請期限は埋葬した日の翌日から2年以内です。手続きについては、加入している被用者保険のウェブサイトで確認してください。
香典を葬儀費用にあてるのも葬儀費用を工面する方法のひとつです。香典返しは、いただいた金額の3分の1程度の品物を渡すのがマナーとされているので、残りを葬儀費用にあてれば、費用負担を軽減できます。ただし、葬儀費用を抑えるために小規模な葬儀にした場合は、参列者が少ない分、香典も少なくなります。
続く